最近の缶詰はとても美味しいものが多いです。特にイナバのグリーンカレーはお気に入りです。
美味しくなったのは技術が向上したのが理由かもしれません。
高級な缶詰といえば、カニの缶詰ですよね!ところでカニの缶詰ってなぜか紙に包まれている印象がありますが、なぜか分かりますか?
本記事ではカニの缶詰が紙で包まれている理由を紹介します。
カニ缶のカニ肉が紙で包まれている理由
カニ缶詰を開けると紙に包まれたカニがあります。
いろんな缶詰がありますが、紙で包まれているのはカニ缶だけではないでしょうか?
なぜカニ缶に紙が入っているのか?
それは科学的な理由がありました。
その理由とは
- 硫化鉄・硫化スズによる肉の黒変を防ぐため
だと考えられます。
かつては製缶技術があまり高くなかったたため、サケ缶、カニ缶、エビ缶、マグロ缶では缶詰の内壁や肉が黒変する問題に悩まされたようです。この原因としては、缶の鉄やスズが内容物中の硫黄成分と反応して硫化鉄や硫化スズの生成が挙げられます。
現在は耐硫化性を向上しているので起こりにくくなっています。
黒変はタンパク質中に含まれるシステインやシスチンが存在すると促進されると言われています。
PIGOTT, G.M. and DOLLAR, A.M.: Food Technol.,17, (4), 115 (1963).
カニやエビなどはシステインが特別多いのか?と言われるとそうでもないみたいですね。魚介類にはシステインが多いようですが、タコやホタテ、イカなどに多いようです。
システインやシスチンが分解して硫化水素などになりそれが金属と反応して黒変するみたいです。特にカニとエビは身も黒くなるので紙で包んだみたいです。現在は紙がなくても良いみたいですが、紙で包まれているのが定番ということで包んでいるとか?
ちなみにストラバイトと呼ばれるガラス片のような結晶が生じやすいのもカニやエビ、貝類の缶詰です。
ストラバイトはMg・NH4・PO4・6H2Oからなる塩です。ストラバイトの生成は缶詰内の液体中で行われるので紙とは関係ないと思います。
ストラバイトの生成を防止するにはクエン酸やフィチン酸などのキレート剤を添加が有効なようです。