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アジリジンとは? 性質と反応のまとめ

アジリジンは窒素原子を含む三角形をした化学物質のことです。アジリジンの仲間には窒素の代わりに酸素が入っているエポキシドがあります。

このアジリジン簡単な形なのにあんまり聞いたことないと思います。このアジリジンについてまとめます。

アジリジンとはヘテロ三員環化合物

アジリジンは三員環の化合物で頂点の一つが窒素原子です。このようにヘテロ原子が入ったものをヘテロ三員環化合物といいます。

ヘテロ三員環化合物の構造

ヘテロ原子がNはアジリジン、Oはエポキシド、Sはチイランと呼びます。ちなみにアジリジンのもう一つの炭素が酸素に置換した化合物はオキサジランといいます。

歪みエネルギーからみた安定性

三員環の構造は歪みエネルギーが大きいです。

歪みエネルギーとは

ひずみエネルギーは、原子の結合により生じたひずみを原因とする分子が有するエネルギー。ひずみエネルギーが大きいほど分子は不安定となり、よりエネルギーの低い構造になろうと変形をする。

wikipedia-日本版より

です。上記の三員環の化合物は大きな歪みエネルギーを持っています。何故かと言うと、SP3混成軌道の原子間の角度は109.5°が熱力学的に最も安定ですが、このアジリジンをはじめとした三員環化合物は三角形のため内角は60°です。このため理想から大きくハズレており、環ひずみが生じます。

それぞれの環ひずみは

シクロプロパン約25kcal/mol
アジリジン約14kcal/mol
エポキシド約13kcal/mol
チイラン約9kcal/mol

となっており、シクロプロパンがと比べるとヘテロ三員環化合物の環ひずみは半分程度と小さいです。

孤立電子対を持つため、ルイス塩基として働くが、一般的により大きなヘテロ環と比べて塩基性は低いです。

例えば、ジメチルアミンとアジリジンで比べるとpKaはアジリジンのほうが一桁以上小さいです。

アジリジンはその炭素結合長から、二重結合性を持つと考えられています。

 


アジリジンの有機合成への応用

アジリジンはエポキシドと比べてあんまり研究されていなかったとよく言われるそうです。

アジリジンはアミンを導入、各種求核剤による開環反応による官能基導入などにつかえます。

アジリジンの基本の反応

アジリジンの開環反応は基本の反応です。多官能性のアミンを合成するのに使えるかもしれません。しかし、この開環反応の位置選択性や立体選択性の低さが問題となっていました。

酸性条件でのアルコリシス

アジリジンを酸性条件でアルコリシスすると、窒素がプロトン化された後、開環してSN1機構で反応が進行する。非対称のアジリジンであれば、カルボカチオンはアルキル置換基が多い方など、カルボカチオンが安定に存在する中間体を経由する。

カルボン酸との反応

アジリジンはカルボン酸と反応してエステルとなる。まずアジリジンの窒素のプロトン化から始まり、機構はアルコリシスと同様にSN1機構で進行する。

 

 

 

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