様々な誤差違いや生じる原因を理解しよう!
絶対誤差と相対誤差
実際の計測では真値とズレが生じます。
測定値と真値との差を「誤差」と呼びます。別にこれを「絶対誤差」とも呼びます。
また、誤差の大きさは測定対象の大きさによって異なるため、真値との比をとった「相対誤差」も使われます。相対誤差は誤差÷真値 (%)です。
- 例: 真値:100, 誤差:2, 相対誤差: 2%
- 例: 真値:10, 誤差:2, 相対誤差: 20%
このように相対誤差を算出することによって同じ誤差2でも真値に対して誤差がどのくらいかを知ることができます。
誤差の種類
一口に誤差と言ってもその誤差が生じる原因は様々である可能性が高いです。
例えば、体温測定で生じた誤差は、機械自体の原因、あるいは体温測定部位のずれ、測定ごとに体温計があたたまることによるズレ(体温計自体の温度)などたくさんの原因が考えられます。
誤差には「系統誤差」と「偶然誤差」の二種類があります。
- 系統誤差 (systematic error): 誤差を生じる原因が明確で、誤差の出方に一定の傾向がある誤差 確定誤差とも言われる。
- 偶然誤差 (random error): 原因不明で不規則なばらつきを与える誤差で不確定誤差とも呼ぶ
です。計測時にはどちらの誤差も生じていると考えます。
系統誤差は誤差が生じる原因がわかっているので小さくすることが可能ですが、完全に除去することは不可能です。
誤差が生じる原因
- 読み取り方法の誤差(アナログ値:水銀温度計とか)
- 機器誤差:測定器具の誤差
- 操作誤差:分析者の腕、操作ミスや調整法の誤り
- 方法誤差:不純物に由来するノイズ、反応の未完、副反応等に由来する誤差
偶然誤差は正規分布する
偶然起こる誤差の方向性は真値に対してプラスに寄ったり、マイナスに寄るなど一方向にまとまるのではなく、プラスマイナス両側に分布します。
一般に偶然誤差は正規分布という確率分布に従った分布を取ることが知られています。
正規分布に従う時、プラスマイナス標準偏差2つ分の中に誤差の95%が含まれます。また、プラスマイナス標準偏差の3つ分に誤差の99.7%が含まれることが想定できます。