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鈴木宮浦カップリングの溶媒は何を使うの?

鈴木宮浦カップリング反応の溶媒

鈴木宮浦カップリングは信頼性の高い反応ですが時に反応条件をきちんと検討しなければ進行しない時もあります。

条件検討で最もメジャーなのは溶媒の検討です。

闇雲に検討するならよく利用されている鈴木宮浦カップリング反応の溶媒の中から検討してみてはいかかでしょうか?

本記事では鈴木宮浦カップリング反応でよく利用される溶媒を紹介します。

注意
このランキングは論文・特許調査から算出していますが、主観が強いものです。あくまで目安程度に利用してください。全く逆転することもあります。

鈴木宮浦カップリング反応ではどんな溶媒を使う?

鈴木宮浦カップリング反応は汎用性が高く、水や空気にも強いので基本的に一般的な溶媒なら何でもOKだと思います。

早速ですが、どの溶媒が良く利用されているか紹介します。

鈴木宮浦カップリングの溶媒ランキング

鈴木宮浦カップリングの溶媒ランキング

収率が80%以上で酢酸パラジウム、Pd(PPh3)4、塩化パラジウム、PdCl2(PPh3)2を主に触媒として利用している反応を中心に集めました。

このようにみると溶媒は水が多いことがわかります。水を加える時は、水単体で反応をかけるのではなく、MeCN、ジオキサン、トルエン、エタノール等を加えて反応させます。二層系でもOKです。

水を加える使用例が多いのは塩基として溶解性の悪い炭酸塩を使用することが多いのが理由の一つかもしれません。

鈴木宮浦カップリング反応でよく利用する溶媒ランキング

ランク溶媒ratio
140
2トルエン9
3エタノール8.2
4ジオキサン8.0
5THF7
6DMF6.8
7DME6.3
8ジクロロメタン6.0
9MeOH3.1
10MeCN1.4
11DMSO1.2
12ジメチルアセトアミド1.1
13アセトン0.4
14イソプロパノール0.3
15tert- BuOH0.2

どうでしょうか?みなさまの感覚と同じだったでしょうか?個人的にはトルエンはあまり使わなかったですね。

溶媒としてはトルエンやエタノールは使いやすいかもしれません。THFも汎用溶媒として常備されていてよく使用しますね。

最近は溶媒なしで反応させるというのもあります。

溶媒検討と一緒にできること

水を加えるときは有機溶媒との比率が検討対象になります。4:1(THF:水)を2:1(THF:水)に変更するなどです。(4:1~1:1くらいの範囲が多い)

塩基の検討もあります。TLCで反応のチェックを行い何が起きているか?によって検討の方向性も変わってきます。

温度の検討も重要です。低めの温度から初めて、昇温していけば条件を一気に検討できます。反応が全くいかない時は温度を高温(100℃以上)にすると進行することもあります

高温が必要な場合はマイクロ波も有効です。

溶媒選択の指針

まずは類似の条件を検討する

どんな溶媒を利用するか?は自分が合成したい化合物と類似した構造をもつ反応例を探してそれを試してみることが最良です。

触媒との相性?もある?

一応触媒と溶媒の相性のようなものも存在するようです。例えば、

  1. テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)はトルエン等の低極性溶媒
  2. PdCl2(dppf)は高極性溶媒(THFやDMF)の組み合わせが良い

などです。

溶解性は重要

カップリング反応では基質が溶媒に溶けないと反応が進行しにくい印象があります。溶媒にきちんと溶解するものを選択するのが重要です。

もちろん溶解しなくても反応が進行する場合もあります。また、温度をあげると溶解することもあります。

脱気してみる

溶媒検討ではありませんが、溶存酸素を取り除くために溶媒を脱気するのもよいです。鈴木宮浦カップリング反応はそこまでデリケートではありませんが、反応が進行しない場合は試す価値があります。

トルエン/水系と[エタノール、ジオキサン、THF]+水を試して温度上げても進行しなければ塩基や触媒を検討してみましょう。

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