青色シリカゲルとは?
青色シリカゲルは「青色に着色されたシリカゲルで、乾燥状態では青色、吸湿状態では赤色に変化するもの」です。シリカゲルは水分を吸収する物質であるため、日常では湿気をとる乾燥剤として、化学では脱水、クロマトグラフィー、などに用いられています。
本来シリカゲルは透明です。青色は乾燥能力、水分量を示す指示薬として加えられた物質由来の色でシリカゲル自体の色ではありません。
塩化コバルトが水分の指示薬
青色成分は塩化コバルトです。塩化コバルト(CoCl2)は無水物のときは青色をしていますが、水を吸収して水和物になると赤色に変化します。無水物(青色)→水和物(赤色)の変化を示すので水分を示す指示薬として使われています。
シリカゲルは湿度によっても変わりますが、シリカゲル質量の40%くらいの水分を吸収します。指示薬は20%くらい吸収すると色が変化するようです。色の変化は
濃青→薄青→赤紫→桃色
に変化していきます。
塩化コバルトは水やエタノール、アセトンなどの極性溶媒に溶解します。そのため青色シリカゲルを極性溶媒の乾燥に使用するのはやめたほうが良いかもしれません。
最近はコバルトフリーの青色シリカゲル(Neo Blue)なるものが発売されています。有毒なコバルトに代わって安全な有機系の指示薬が含まれているようです。ただし有機系の指示薬の構造などの情報は不明でこちらも溶け出す可能性があるかもしれません。有機系色素で塩化コバルトと同様の色調変化を起こすものとして「サフラニン」があります。フェナジン系色素のサフラニンはベーシックレッド2とも呼ばれています。細胞核を赤く染めるのに使われています。このサフラニンは乾燥時は青色、吸湿字はピンク色に変化します(WO2007015523A1特許資料)。Neo blueがサフラニンを使用しているかどうかはわかりませんが、このような有機系色素であるとやはり極性溶媒には溶けそうな気がします。
橙色のシリカゲルもある
橙色のシリカゲルは吸湿前は橙色で吸湿していくと緑色に変化していきます。青色シリカゲルと同様に20%くらいの水分を吸収すると全部緑色になるようです。おそらくコバルトフリーのものとして開発されたのではないかと思いますが、橙から緑色の変化は色覚異常を持つ人にはわかりにくいかもしれません。
青色シリカゲルは再利用時にも役立つ
基本的にシリカゲルの吸水反応は可逆的で高温度(70-100℃)で乾燥させることによって再利用が可能です。無色のシリカゲルでは吸湿したこともわからなければ、乾燥したこともわかりません。青色シリカゲルは吸湿して赤色に変化し、それを乾燥させると青色にきちんともどるので、乾燥したこともわかります。