スマホで頭が悪くなる?
スマートフォンの使いすぎで頭が悪くなると聞いたとき、私はとても悲しい気持ちになりました。なぜなら、私はどんな人、ものよりも「スマホ」と一緒いる時間のほうが長いからです。朝起きてから、朝食を食べて、通勤をして、仕事をして、家に帰宅する、夕食を食べて、就寝をするまでの間、ずーっと一緒にいます。私にとって「スマホ」は最高のパートナーのようなものなのです。最近のスマホは防水機能がついているので一緒に風呂に入ることもできます。あなたは家にスマホを忘れたときは、とても不安な気持ちになりませんか?私はまるで体の一部を家に忘れてしまったかのような不安に襲われます。
それほど現代人にとってスマートフォンは欠かせない存在になっています。世の中にはこのような状況をみて「スマートフォン依存」という表現を用いて懸念を示している人も多いです。特に、問題となるのは子供に対する効果だと思います。わかりやすい表現を使えば、「スマートフォンの使いすぎでバカになる」と考えている人がいるということです。
頭が悪くなると一口に言っても
スマホの使いすぎで頭が悪くなることが問題となるのは主に子供です。子供をスマートフォンから遠ざけたいという妙な意思を多少感じますが、もしもスマートフォンの使用で頭が悪くなるというのが本当だった場合は、多くの親は子供のスマートフォンの使用制限をしようかな?と考えるかもしれません。
でも一口に頭が悪くなると言っても、原因が何かによって問題点は大きく変化します。例えば、スマートフォンから発せられる電波が脳の神経細胞を破壊するという場合です。これはスマートフォンが脳に対して直接的に悪影響を与えていることが問題であるため、悪者はスマートフォンではなく電磁波ということになります。
それとは別に「スマートフォンの使用」自体の影響もあります。例えば、スマートフォンに入っているアプリケーションを使用しすぎるために、やるべき他のことができなくなるということです。特にゲームやSNSがやり玉に挙げられるでしょう。言い方を変えれば、勉学に励むべき子供が勉強もせずにゲームをずっとやり込んだり、SNSを介して友達といつまでもおしゃべりをしているから、頭が悪くなるということです。また、別の例としては、スマートフォンの高度な機能に頼りすぎて、記憶しなくなるとか、計算しなくなるというように、自分の脳を使わなくなるために、頭が悪くなるということです。計算機を使えば一瞬で計算できます。わざわざ覚えたり考えたりしなくても、ググればすぐに情報を知ることができます。このようにスマホに頼ることで頭を使わなくなることが問題というわけです。
脳への直接的な影響ー電磁波の影響はあるのか?
実際にスマートフォンから発せられる電波が脳に与える影響については多く研究がされていますが、脳に与える電磁波の影響については総務省では問題がないという結論を出しています。様々な論説が出されていて、脳に対する影響も様々で、その全てをここでは紹介出来ませんが、その一つとして、スマートフォンが発する電磁波が脳腫瘍に関連するということがこれまで指摘されていました。これはスウェーデンにおける10年間の追跡調査より脳腫瘍と携帯電話の長期間の使用が脳疾患リスクの向上につながるという証拠は見つかりませんでした*1。現在のところ電磁波が直接的に人体の健康リスクを高めるという有力な証拠はみつかっていません。これは携帯電話の電磁波のみの影響を考えることが非常に難しいということもあります。なんらかの影響が無いとは言えませんが、すぐに悪影響がでるようなものではなく、頭を殴られるとかそういうもののほうがよっぽど問題なので安心して良いと思います。
スマートフォンの使用で頭が悪くなる?
スマートフォンの使いすぎで頭が悪くなるというのが、「スマートフォンのゲームやSNSなどのアプリにのめりこむために勉強がおろそかになるためである」ということならば、当然答えは「YES」となります。勉強の時間をとれなければ、取れない原因が「スマホ」だろうが、「小説」だろうが、「スポーツ」だろうが、頭は悪くなる→成績が悪くなるのは明らかです。
頭を使わなくなるという点については疑問点があります。スマホですぐに検索してしまうからものを覚えないとか、ものを考えなくなるという意見がありますが、そもそもスマホがなければ、人に聞くか、調べるのをやめるかの二択になる人も多いのではないでしょうか?わざわざ図書館に言って調べたり、深く考える人は素質的に頭が良い傾向にあると思います。むしろスマホを使うことで簡単に調べることができるので、調べるのに費やす時間が節約でき、しかも得られた情報が元となって新しいことを考えるきっかけになる場合も多いと思います。一概に、スマホに頼って覚えなくなるから頭が悪くなるとは言えないのでは無いでしょうか?
スマホを使うと頭が悪くなるのは結局
スマホを使う事自体が頭を悪くするというのではなく、スマホの使い方が悪いから頭が悪くなるというのが正しい表現では無いかと思います。学生の場合はスマホに没頭して勉強しなくなれば成績が落ちますし、夜寝る間も惜しんでスマホをいじれば睡眠不足になって日中のパフォーマンスも落ちるでしょう。ゲームも割と脳を使うので、数時間も没頭していれば、脳が疲れてその後の脳の作業のパフォーマンスも低下します。SNSの返信が気になって通知が来るとすぐにスマホをみてしまうような人は集中力も落ちるでしょう。これらは、スマホ自体が悪いのではなく、スマホの使い方が悪いと言えると思います。でも、上記のことが当てはまるひとはスマホを使っているせいで頭が悪くなっているかもしれませんから、使用時間などは自粛するようにしたほうが良いかもしれません。頭が悪くならなくても仕事のパフォーマンスは低下している可能性もあります。