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よく噛むと頭がよくなるのは本当?

よく噛むと頭が良くなる

良く噛むと頭がよくなるって誰がいったの?

よく噛むと頭が良くなるからガムを噛みながら勉強すると良いという話を聞いたことがありますが、なぜ噛むと頭が良くなるのでしょうか?「噛むこと」と「脳」って全然関係なさそうですよね?

こめやん

でも、もしもよく噛んでいないせいで頭が悪くなっているとしたらどうしよう…

そこで、なぜ噛むと頭が良くなるというように言われるようになったのかを調査してみました。


噛むことが脳に与える影響とは?

よく噛むと頭が良くなるということは「噛む」ことで「脳」に何らかの影響を及ぼしているはずです。これまでの研究によって、ものを噛むことによって脳血流量がアップすることが報告されているようです。ガムをかませることによって脳血流がどのように変化するかを調べた研究では、側頭筋、小脳や基底核などが賦活されることが分かっています。ガムを噛むと目が覚めるというのも、咀嚼による脳血流の増加が原因である可能性があります。

噛むことで脳血流が増加することを調べた研究

動物実験では学習能力が向上した

脳血流がアップしても脳機能が改善するかどうかはわかりません。そこで記憶や学習の能力と噛むことの関係を調べた研究が行われています。11週齢のラットの臼歯を抜いて満足に噛むことが出来ないようにしたものと正常なラットとを同条件で育てて135週後に迷路のテストをすると、正常なラットのほうが有意に学習獲得能力が高かったそうです*1。また、粉末餌と固形餌を与えたラットとマウスでは、固形餌のほうが学習獲得能が高かったそうです。固形餌はよく噛んで食べる必要があるため、噛むことが学習獲得能の向上につながったと考えられています。老齢期において、歯が抜けることによって満足に咀嚼できなくなることが、痴呆など記憶・学習力低下と関連があるかもしれないとも考えられるわけです。

ヒトでも脳機能の向上が期待できる

動物実験だけでなく、人に対する実験も行われています。ガムを咀嚼してから30秒後にかけて前頭前野の中前頭回と下前頭回において血流が増加したことが報告されています*2。これらの脳の領域は記憶や学習、短期記憶、行動選択など高度な機能を司る部位です。血流増加によって神経細胞に必要な酸素や栄養が供給されることによって、脳の機能が活性化されて、記憶や学習、思考能力が向上する可能性がありますね。特に脳のうち記憶を司る海馬という部分は、アルツハイマー病などの認知症と深い関係があるとされるため、よく研究されています。この海馬は虚血(動脈血不足:酸素不足)状態に弱く、損傷を受けやすいです。この海馬への血流増加は海馬の機能を向上させる可能性があり、実際に短期記憶の向上が観察されています*3。咀嚼運動が、海馬の顆粒細胞という細胞を増やす報告もされています*4

*1) Kato T.,et al. The effect of the loss of molar teeth on spatial memory and acetylcholine release from the parietal cortex in aged rats. Behav. Brain. Res. 1997, 83, 239.
*2) Onozuka  M., et al. Aged-related changes in brain regional activity duringchewing: a functional magnetic resognance imaging study. J Dent Res, 2003, 82, 657.
*3) Tomita, M., et al. J. Jpn. Stomatol. Soc. 2007, 56, 350.
*4)船 越 正 也, 佐橋 喜 志 夫: 咀嚼 と学 習 効 果. 日本 歯 科 評論620: 73-84, 1994.


まとめ

噛む・咀嚼運動によって、脳に流れる血流がアップすることが「噛む」ことによって頭が良くなるというように言われるようになった所以です。頭が良くなるというほどのことではなさそうですが、咀嚼によるプラスの効果はいくつか出ていますので、勉強中にガムを噛みながら勉強するのも良いかもしれません。

こめやん

眠たいときにガムを噛んだり何か食べると目が覚めるような気がするのも、咀嚼による効果かもしれませんね

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