ウイルスと細菌にどんな違いがあるのか?
どちらも目に見えない小さいものですが、実はウイルスと細菌は大きく違います。そもそもウイルスは生物ではないんです。
今回はウイルスと細菌の違いについてできるだけわかりやすく解説していきます。
ウイルスと細菌の違いとは?
細菌とウイルスの違いを話す前にまず、生物の分類について説明します。
地球上には様々な生物が存在していますが、それをいくつかのグループに分類するのが分類学という分野の仕事です。
ドメインはリボソームというたんぱく質を作り出す生物にとって超重要なたんぱく質の遺伝子配列(16s rRNA)を比べて作った分類法です。
リボソームの塩基配列を調べると生物は3つのドメインに分類されることがわかりました。その3つが「細菌」「古細菌」「真核生物」です。
真核生物といわれてもピンとこないかもしれませんが、私たち人間もこの真核生物の分類です。下の図を見るとわかりますが、犬や猫、鳥などの動物もすべて真核生物です。また、カビ(真菌)も植物も真核生物です。
こめやん
細菌の分類は真核生物とは全く別のドメインに分類されています。つまり、ヒトにとってカビや植物は仲間ですが、細菌は全く別の系統の生物であるということです。細菌類は真核生物ではないので核を持っていません(原核生物)
真核生物の構造は下図の①核が特徴です。
細菌の細胞の構造は真核生物と比べてシンプルです。核やミトコンドリアなどはもっていません。自己増殖のために必要なリボソームは持っています。DNAは核の中に収納されておらず、むき出しになっています。
それではウイルスはどうなっているのでしょうか?
ウイルスは下の図のAにあるように、細菌よりもシンプルな構造をしています。ウイルスはたんぱく質の殻とその中に核酸(DNAかRNA)のみです。
こめやん
こう見るとウイルスは大きくほかの生物とは違いますね。むしろ物質に近い存在ともいえます。
ウイルスと細菌の違いまとめ
ウイルス | 細菌 | |
大きさ | 数十~百nm | 数十~百μm |
リボソームの有無 | なし | 有り |
細胞膜の有無 | なし | 有り |
自己増殖能 | なし | 有り |