たばこの規制はどんどん広がっています。
オリンピックの影響もあるのでしょうか?
喫煙できる場所が激減するなかで、従来の紙巻きたばこに代わって新しいタイプのたばこが登場しています。
今回はその中でもスヌースと呼ばれる無煙たばこについて安全性などを考えていきます。
新タイプのたばこ スヌースとは?
最近は紙巻きたばこの煙の発生が抑えられた伝熱による加熱式たばこ(アイコスなど)やリキッドを加熱して発生したエアロゾルを吸引する電子タバコなどが登場しています。
こうした新タイプのたばこも煙が発生するので、喫煙ができない場所では利用できないことが多いです。
どうしても喫煙したいとう人でも利用できるものは無煙たばこといって煙が一切でないたばこを利用するしかないでしょう。
無煙たばこにはいくつか種類があります。別記事でも取り上げた「噛みたばこ」と「嗅ぎタバコ(スヌース)です。
噛みたばこはメジャーリーガーが噛んでいるので有名です。しかし噛みたばこは口腔がんリスクを上昇させることが分かっていて、噛みたばこの利用者には口腔がんに罹患するひとが多いといわれています。
最近話題のスヌースは噛みたばことは違って、袋に入ったたばこの粉末を歯茎と唇の裏に挟んで味や香りを楽しむタイプのものです。
スヌースはスウェーデンで生まれたたばこ製品です。実際にスウェーデンではよく利用されています。英語では「スナッフ」と呼ばれています。
こちらの有害性についてはどうでなのでしょうか?
最近無煙たばこをよく見るのはなぜ?
東京都などの都市部を中心に路上喫煙や受動喫煙を防止するための条例が多く制定されており、対策として公共施設や商業施設の禁煙が増加していることが原因であると考えられています。煙の出ないたばこを利用することで禁煙場所でもニコチン摂取できるスヌースなどの無煙たばこが注目されています。2013年にはJTからゼロスタイルという嗅ぎタバコが販売されました。
スヌースの有害性は?
日本でも嗅ぎタバコがいくつか発売されています。
嗅ぎタバコは「たばこの葉が入った矩形の袋を頬と歯茎の間に挟むようにして使用する」たばこの一種です。
スヌースは煙が出ないことから無煙たばこと呼ばれており、受動喫煙のリスクはないですが、紙巻きたばこと同様にニコチンや発がん性のあるニトロソアミンなどが含まれているため、普通のたばこと同じく健康のリスクを高めます。
スヌースは口の中で使用するため、口腔がんになりやすく、歯周疾患、循環器疾患のリスクも上がる可能性があります。
こめやん
スヌースはお菓子のような箱に入っていることが多く、たばこを吸うのに比べて未成年が利用しやすい形である点も問題視されています。
スヌースの有害性は製品によっても変化します。比較的発がんリスクが低い製品もあります。
スヌースのがんリスクについて
スヌースは無煙たばこに分類されており、国際がん研究機関(IARC)による発がん性を持つ対象一覧のグループ1(人に対する発がん性が認められる)に分類されています。
参考 IARC発がん性リスク一覧 - Wikipedia取得できませんでした
こうした背景からEU諸国のうちスウェーデン以外では規制されています。
参考 無煙たばこ・スヌースの健康影響について|厚生労働省取得できませんでした
無煙たばこに含まれているとされる発がん物質
- ニトロソアミン類
- 多環芳香族炭化水素(ベンゾピレンなど)
- アルデヒド類
- 重金属類
などが挙げられます。
無煙たばこにより発症リスクが上昇するがんの種類
- 口腔がん
- 食道がん
- すい臓がん
他の疾患としては
- 心疾患
- 歯周疾患
- 白板症
埴岡隆, et al. “口腔で使用される無煙タバコの健康被害とタバコ対策への影響.” 口腔衛生会誌 64 (2014): 420-424.Boffetta, Paolo, et al. “Smokeless tobacco and cancer.” The lancet oncology 9.7 (2008): 667-675.