12月になるとそろそろはやり始めるインフルエンザですが、最近はインフルエンザハラスメントなるものが横行しているようです。
インフルエンザハラスメントは最近出てきた用語なので知らない方のためにどういったものなのか?なにが問題なのか?インフルエンザハラスメントにあったらどうすればいいのか?を紹介します。
インフルエンザハラスメントとは?
インフルエンザハラスメントとは
インフルエンザに感染したにも関わらず、会社を休ませず、無理やり出勤させるように促す嫌がらせのこと
です。
会社の上司が立場を利用してインフルエンザに感染しても休ませないように促す行為は全てハラスメントに該当するようです。
また、インフルエンザに感染してしまったらそれが完治するまでは感染拡大の可能性があるために、家で安静にするべきですが、完治する前に出勤させられるというのもインフルエンザハラスメントに該当します。
どんな行為がハラスメントに該当するのか?実際の例は?
どのような行為がハラスメントに該当するのでしょうか?世間で言われているものをあげると
- インフルエンザでも休むなと言う
- 休まれると困ると言う
- 休むなら代わりを探してくれという(アルバイトなど)
- 診断書をもってこいという
- 動けるようになったら無理をしなくてよいからなるべく早く来てくれという
- 予防していないからだと叱責する
などがあります。
ツイッターでも様々な声があります
インフルエンザ流行り出したらしいが
以前勤めていた会社で
予防接種受けてたけど、インフルになって
『予防接種受けてたならインフルじゃない』
と上司に言われ
個人のBOXに予防接種打ったらインフルにかからないと言う資料を入れられてたなぁ#インフルエンザハラスメント— 智暁(ちあき) (@tsukikage0510) 2019年11月13日
予防接種はそんな万能ではないですからね。ものすごいところもあるものですね。
弊社はインフルだった場合は、さすがに休ませるが、相手を気遣ってとか、仕事のことは気にせず休め、みたいな感じではなく、仕方ないから休ませるって感じ。休むことを異様に嫌う経営者。
俺もインフル疑惑でも出社したしなぁ( ´Д`)
周りの方ホントすいません。#インフルエンザハラスメント— 109 (@KXef0y9FLX45mXX) 2019年11月12日
休まれるのは困る所は現実多いのでしょう。仕方ないから休ませるという思いがあると、予防措置などをきちんと取らなかった社員を責めるという場所もありそうですね。
インフルエンザハラスメントとは、
無理やり予防接種を受けさせる事。— びんびんオブソイジョイ エロテロリスト (@soyjoy_) 2019年11月13日
予防接種は半ば強制なのが現実なのだと思います。これも一種のハラスメントともいえますね。社員間でもインフルエンザの予防接種を受けていない人が感染したら、予防措置してないからかかるんだと当然のように責められるというのはありそうですね。予防接種により感染はいったいどれだけ防げるのでしょうかね?
企業側としては伝染病なんか持ち込まれたくないし、体調不良で仕事しても良いパフォーマンスなんか期待できないから、ガッツリ休んでとっとと元気になって欲しい。
社内感染のリスクを理解しない馬鹿には、積極的にインフルエンザを感染させたい。#インフルエンザ #インフルエンザハラスメント
— モブの福造 (@amesan_tsurezur) 2019年11月13日
逆に休めと言っても来てしまう人もあるかもしれません。実際私の周りにもインフルエンザにかかっているのに無理に来てしまうひとがいたり…
完治する前に出勤しようとする人は多い
実際に会社から「出勤してくれ」というように言われなくても無言の圧力があったり、気を使う、あるいは出勤しないと仕事が回らないという使命感などから会社に出勤する人は結構多いようです。
養命酒製造株式会社の調べでは、インフルエンザに感染した際に完治する前に出勤したと答えた男性は19%(n=63, 20~50代)、女性は18.6%(n=59, 20~50代)もいるという調査結果があります。
同調査では、会社からインフルエンザハラスメントを受けたと答えた人は全体の3.7%であったことを考えると、自ら完治前に出勤する人が結構多いことが分かります。
出勤停止義務はあるのか?罰則は?
インフルエンザに罹ったら〇〇日間は休んでいないとダメなどという話は主に、学校保健安全法第十九条に規定されている出席停止の話からきていると思います。
学校では、「インフルエンザに発症してから5日間経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまでは出席停止とする」
というように出席停止期間が決まっています。
ただし法令でこのように決められているのは学校だけであり、会社には適用されません。
一応は、労働安全衛生法の第六十八条に
「事業者は、伝染性の疾病その他の疾病で、厚生労働省令で定めるものにかかつた労働者については、厚生労働省令で定めるところにより、その就業を禁止しなければならない。」
というように規定されています。
事業者は病毒伝ぱのおそれのある伝染性の疾病にかかつた者については就業を禁止しなければならないと厚生労働省が定める労働安全衛生規則の第61条(病者の就業禁止)に書かれています。
したがって、会社では出席停止の日数については規定されていませんが、伝染の恐れがある病者の就業を禁止しなければならず、就業させるには伝染予防の措置を取らなければなりません。
インフルエンザウイルスの排泄はいつまで続くのか?
それでは伝染する可能性がある期間とはどのくらいなのでしょうか?
厚生労働省のサイトでは発症後3~7日間は鼻やのどからウイルスを排泄する書いています。
出席停止の日数もこの期間を考えられて作られているように思います。
これについては例えば以下の論文で調査された結果では
Cori, A., et al. “Estimating influenza latency and infectious period durations using viral excretion data.” Epidemics 4.3 (2012): 132-138.
二次感染の50%を防ぐためには発症後16時間以内に隔離する必要があり、さらに隔離による伝染予防は発症後に4日間あれば十分であるとしています。
この結果はウイルス排泄が4日間で終わるというわけではなく、6日とか7日続いたという報告もあります。
まとめ
少なくともインフルエンザの伝染を予防するために会社も学校も出勤を停止する必要があります。
無理やり出勤させるというのは違法性が高いようです。
実際は学校のように、会社では何日間休ませなければならないという日数の規定はありませんが、伝染を予防するためには少なくとも発症後4日間は休ませる必要があります。
会社としても忙しい時期はありますが、人間は機械ではないので会社側はリスクとして休むことを想定した余裕をもった計画を心掛けたいものです。